技能実習生の受け入れにあたっては、監理団体が講習を行うことが上陸基準省令によって義務づけられています。
講習の時間数は活動予定時間(年間仕事時間)の1/6以上の講習を行わなければなりません。
実習生にとって初めての海外での仕事、未経験なことも多くあり、不安になりがちです。
できるだけサポートしたいので、弊組合の研修センターでは日本語だけではなく、文化、伝統、普段生活でのルールやマナーも含め講習を行われています。
これから実習生の受け入れをする企業様にお話しを聞きましたが、一番の不安は「コミュニケーションの取り方」でした。
やはり、言葉は一番大きな山です。
弊組合に所属する外国人技能実習生はまず各自の国の学校(送り出し機関)で約5か月、入国後日本の学校(研修センター)で1か月日本語やルール、マナーについて勉強をし、企業様に派遣するまで計半年間勉強をしています。
半年間も勉強しているので、多少話せるではないかと思う方も多いと思いますが。
私たち中学校、高校で6年間以上英語を勉強してきましたが、流暢に話せて、外国の方とスムーズにコミュニケーションをとれる人はどのぐらいいますか?「話せない」人の方がダントツに多いと思います。
それは、なぜでしょう?
理由の一つとして、実践できる機会が少ないからです。
外国人に道を聞かれ、うまく聞き取れず「I don’t know」しか言えない経験はありませんか?
「駅までの行き方を教えてください」という言葉を英語にすると
「Could you tell me how to get to the station?」
長文+ネイティブの発音!!
普段英語と触れ合う機会少ない方にはなかなか聞き取れないものだと思います。しかし
「where is the station?」
に言い換えるだけで、聞き取れる方も増えるでしょう!
実習生も同じです!同じ内容ですが言い方を変えるだけでコミュニケーションも取りやすくなります。
ここで、私がおすすめしたいのは「やさしい日本語」というものです。
もともと小さな子供や高齢者、障害をもった人などに配慮したコミュニケーション方法の一つです。
難しい言葉を簡単な言葉に言い換えてゆっくり話すなどの工夫をすることで、相手にとってわかりやすい言葉に変わります。
例えば
「土足厳禁」→「くつをぬいてください」
「早朝6時に会社集合」 →「朝の6時に会社にきてください」
「本人確認出来るもの」→「在留カード持ってますか」
このように同じ内容ですが、言い方を変えることによって、分かりやすいものに変えられます。
もちろん、一番頑張らないといけないのは実習生本人です。
一所懸命新しい仕事や環境を慣れようとしている実習生にとって周りのこのような配慮はとてもありがたいものです。
意思疎通できると現場のみなさんのストレスや負担を減らすこともできます。
定期的に保守が訪問し、お互いの要望などの通訳もしますが、直接コミュニケーションとれることによって実習生と企業の絆が深まります。
3年間の実習生活を円滑に送るためにも、私はこの「やさしい日本語」をおすすめいたします!