外国人技能実習機構より、2022年度(令和4年度)フォローアップ調査の結果が届きました。
01 フォローアップ調査の目的
外国人技能実習機構(以下、機構)は技能実習生の帰国後の実態を明らかにし、技能実習制度の適正・円滑な運用を図る為の基礎資料とすることを目的としてフォローアップ調査を実施しています。
調査では技能実習を修了し帰国した技能実習生について、帰国後の就職状況、職位の変化、日本で修得した技能・技術・知識の活用状況等が確認されます。
調査票は監理団体や企業単独型の実習実施者を通じて帰国した技能実習生に配布され、戻ってきた調査票を機構が集計し、統計を発表しています。
02 2022年度フォローアップ調査
2022年度のフォローアップ調査は、2022年9月1日から12月31日の間に帰国した(予定も含む)、国籍がベトナム・中国・インドネシア・フィリピン・タイの技能実習生に対して行われました。
02-01 帰国後の就職状況
帰国した技能実習生の就職状況は
- ・雇用されて働いている(17.0%)
- ・雇用されて働くことが決まっている(5.9%)
- ・起業している(10.7%)
と、就職している人が合わせて33.6%となっている一方、仕事を探している人の割合が26.3%と、2018年以降で最も高くなっています。一方、特定技能で戻ると答えている人が2018年以降で一番高い12.1%となっており、帰国した技能実習生を取り巻く環境の変化が感じられます。
02-02 現在従事している仕事内容
帰国して働いている人の、従事している仕事内容は
- ・技能実習と同じ仕事(45.8%)
- ・技能実習と同種の仕事(20.7%)
と、合わせて66.5%の元技能実習生が、技能実習での経験を活かして頑張っています。
02-03 実習中コミュニケーション以外で困ったことはあったか
実習中を振り返って、コミュニケーション以外で困ったことはなかったか?という質問に対しては、「困ったことはなかった」という回答が81.5%を占めました。
「困ったことはあった」と回答した人の具体的な内容としては、「家族と離れて寂しかった」という回答が60.4%と、最も多い回答となりました。
自由記述で寄せられた意見としては
- ・「賃金が円安により目減りした」
- ・「出身の異なる実習生同士は無関心であり、言葉の違いによる問題が起こることもあった」
- ・「礼拝が出来る場所がなかったり、着衣の使用を認められなかった等、宗教・風習が尊重されなかった。」
- ・「実技試験の練習をさせてもらえず不合格となった」
- ・「監理団体はもっと実習生のもとに訪れてほしい」
等といったものもありました。
03 まとめ
2018年以降毎年欠かさず行われるフォローアップ調査により、帰国した技能実習生の様子や技能実習制度の有用性を確認することができます。
今後、技能実習制度は新たな制度に生まれ変わる予定ですが、私たち監理団体も今の制度の良い部分を活かしつつ、これからもしっかり取り組んでまいります。