2023年10月25日(水)、エヌ・ビー・シー協同組合主催のセミナー「受入れ企業の成功事例5選」を開催いたしました。 ご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
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本記事では、「受入れ企業の成功事例5選」で解説した内容をお届けいたします。
突然ですが、初めて技能実習生を受け入れる企業のご担当者は、このような課題や不安をお持ちではありませんか?
- 「日本語でやり取りができるの?」
- 「実習だけでなく私生活の面倒までみるの?」
- 「技能実習生は書類や色々な手続きが大変そうで・・」
- 「社内に技能実習生の受入れ体制が整っていない」
- 「技能実習生の技能検定対策をどうしよう」
実は、これらの課題や不安は、これまで100社以上の企業サポートをつとめてきた元サポートスタッフであるウーリッティーに寄せられた、「初めて技能実習生受入れる企業が感じた課題と不安のトップ5」です。
今回は、元サポートスタッフのウーリッティーが、長年のサポートの中で目の当たりにした「技能実習生の受入れに対する不安を払拭する方法」と「技能実習成功のための5つのポイント」を、実例を元に解説してまいります。
セミナー講師紹介
ウー リッティー
国際事業部スタッフ
カンボジア・プノンペン市出身、日本での生活歴は9年。NUM経営大学を卒業後、イベント運営会社を経営し、ラジオ番組のプロデューサーおよび司会者として活動。2018年にはエヌ・ビー・シー協同組合に入社、100社以上の受け入れ企業と技能実習生のサポート業務に従事。現在は、ウェビナーや動画を通じて技能実習と特定技能に関する情報を発信中。
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【技能実習が成功する
8つのポイントと流れ】
- この資料でわかること
- 技能実習生の国籍の選び方
- 技能実習生配属までの流れ
- 配属から2年目、3年目への移行方法
- 技能実習成功のポイント
01 課題解決の2つのパターン
技能実習生の受入れに関する不安や課題を解消した事例は、この2つのパターンにまとめられます。
- ① 社内の受入れ体制を整える
- ② 監理団体(送出し機関)を厳選する
①社内の受入れ体制を整える
技能実習生の受入れは、日本人の雇用と全く異なります。
日本人の雇用の場合、たいていは会社の通勤圏内で募集を行い、自宅から通ってもらうことになるでしょう。 しかし、技能実習生の受入れの場合は、技能実習生を海外から呼んできますので、住む場所の提供や日常生活のフォローが必要不可欠です。また、労働基準法だけでなく、技能実習ならではのルールも守らなければなりません。
日本人の雇用と同じやり方をしていては、技能実習生の受入れはおそらく失敗するでしょう。 しかし、社内の体制をしっかり整え、技能実習生を受け入れる準備ができれば、技能実習生の受入れはきっと成功するはずです。
② 監理団体(送り出し機関)を厳選する
技能実習生の受入れでも、日本人の雇用と同様に「人柄」を大切にする企業様が多いことでしょう。会社に早く馴染もう、実習を早く覚えよう、コミュニケーションを積極的に取ろう、とがんばる技能実習生を受け入れることができれば、御社での技能実習は成功したも同然です。
その意味で、実際に技能実習生の募集をする送出し機関の役割は重要です。
そして、しっかりした人材を募集してくれる送出し機関と連携している監理団体を選ぶことも非常に大切だということがお分かりいただけるでしょう。
監理団体は、御社にとって、そして技能実習生にとっても、受入れ後の3年間を共に過ごすパートナーのような存在です。監理団体のサポート内容をしっかり確認して、どの監理団体を選ぶのかが技能実習の成功には欠かせません。
実際の事例をもとに、どうすれば課題や不安を解消していったのか、具体的に見ていきましょう。
02 よくある課題と成功事例5選
02-01 言葉が通じない
「技能実習生は日本語が通じないから受入れが不安だ」と感じる方はたくさんいるでしょう。しかし対策を講じれば、その不安を少しは解消することができるかもしれません。ここでは、受入れ国籍を変更した成功事例を紹介します。
群馬県のある企業ではベトナムから技能実習生を受け入れていましたが、入国後2年以上が経過しても日本語で満足に会話ができず、苦労していました。言葉が通じない上に、文化や考え方が違うために、コミュニケーションを取ることがとても難しかったそうです。
その企業では、2期生の受入れの際に監理団体をエヌ・ビー・シー協同組合に変更し、国籍もミャンマーに変更しました。ミャンマーの送出し機関では、技能実習生をN4相当に達するまで日本語教育を行うため、入国直後から簡単な日常会話が可能でした。日本語ができるため、配属後も積極的に日本語でコミュニケーションをとり、さらに日本語が上達しています。
技能実習生の日本語能力は、日本へ入国する前の、送り出し機関の教育によって左右されます。
わたしたちはグループ会社で入国後講習施設を運営しており、様々な監理団体から、様々な国籍の技能実習生を見ています。多くの技能実習生を見る中で、入国時の日本語レベルがその後に大きな影響を与えることを非常に実感しております。
エヌ・ビー・シー協同組合では、提携を結ぶベトナムやミャンマーなどの送出し機関において、N4相当まで日本語教育を行う環境を整えております。技能実習生を受け入れる際は、どのように募集を行い、配属までどのように日本語教育を行うのか、注意してみてはいかがでしょうか。
02-02 私生活のサポート
技能実習生に対しては、一般の社員とは異なり、私生活のサポートを行う必要があります。生まれ育った母国とは異なる環境で生活する中で、文化の違いなどからトラブルが発生することもあるかもしれません。ここで紹介する企業様では、掃除のやり方を間違えて周りの住人に迷惑をかけてしまったり、郵便物の取り扱いが上手くできず、大事な書類を見落としてしまったことがあったそうです。
こうした日常生活の細かいところまで、企業の担当者様がすべてサポートをするのはとても大変です。毎年技能実習生を受入れて人数が増えると、1人では対応できなくなってしまうでしょう。
この企業様では、最初に来た1期生の教育に力を注ぎ、2年目以降に先輩として後輩のサポートができるように育成しました。最初は細かいところまで指導しなければならず苦労しましたが、2年目以降は、その1期生が私生活のサポートを行うようになったため、負担が減りました。
先輩の技能実習生に後輩のサポートをさせることで、以下のようなメリットが生まれます。
- ・ 実習生たちは共同生活をするため、面倒を見やすい
- ・ 同じ国籍(または外国人同士)で距離感が近い
- ・ 先輩にとって責任感が生まれ、技能実習へのモチベーションアップにも繋がる
最初の教育は少し大変かもしれませんが、このような体制を整えることで、企業様の負担を減らすことができます。技能実習を成功させる足がかりとして、ぜひ取り組みましょう。
02-03 手続きが大変
技能実習生を受け入れるための手続きは、非常に煩雑です。書類が膨大にあり、その整理や管理に苦労されている企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回ご紹介する企業様では、技能実習生の配属先が複数あり、それぞれの拠点で手続きの管理ができないという課題を抱えていました。ビザの申請が遅れるなどのトラブルが発生してしまったこともあるそうです。
この企業様は、監理団体をエヌ・ビー・シー協同組合に切り替えることで、この課題を解消しました。
エヌ・ビー・シー協同組合は、企業様で行うべき手続きの年間スケジュールを組み、やるべきことを可視化しています。また、組合担当者と各拠点のご担当者、本社の三者で毎月オンラインミーティングを行うことで、申請漏れを防いでいます。
監理団体の仕事は非常に多岐にわたるため、細かな事務手続きのサポートをするのは難しいことなのです。エヌ・ビー・シー協同組合では、企業様のサポートを専門で行うスタッフや、申請を専門で行うスタッフを配置しているため、ここまでのサポートが可能となっています。ひとりの担当者がすべての業務を行う監理団体では、細かな事務手続きのサポートをすることは難しいでしょう。
企業様で書類を管理することが前提にあるかもしれませんが、このようなサポートができる監理団体を選ぶことも、技能実習を成功させる手段の一つといえるでしょう。
02-04 受入れ体制が整っていない
技能実習生の受入れを検討する企業様と話を進めると、最終的に「受入れ体制が整っていないので、、、」と断られるケースがよくあります。果たして、「受入れ体制」とは、一体なんでしょうか?ここでは、「生活の準備」と「教育体制」の2つに分けて、考えてみたいと思います。
生活の準備編
技能実習生が配属するまでには、住環境の手配が必要です。ちなみに、外国籍の方が共同生活するための準備をした経験のある方はいらっしゃいますでしょうか?おそらくいないでしょう。
実は、技能実習生の住環境を整える準備は非常に大変です。「外国籍だから」という理由で、入居を断られてしまうケースがよくあります。物件探しにも時間がかかり、部屋が決まった後も、必要な生活備品の準備でかなりの時間をとられてしまうことでしょう。
今回ご紹介する企業様では、総務の担当者様が受入れの準備を行いましたが、一時は通常の業務ができないほどの時間をとられていました。
エヌ・ビー・シー協同組合では、技能実習生を導入する企業様にすまいのサポートを提供しており、物件のご紹介や、家具家電の一式手配などを承っております。この企業様は2期生の受入れから監理団体をエヌ・ビー・シー協同組合に変更し、このサービスを利用することで負担を軽減することに成功しました。
繰り返しになりますが、こうしたサポート体制のある監理団体を選ぶことが、技能実習を成功させるために必要なことかもしれません。
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教育体制編
「技能実習生を教育できる体制が整っていない」という言葉を、多くの企業様から伺います。たしかに、言葉が100%通じないかもしれない技能実習生に仕事を教えることは、簡単なことではありません。しかし「企業が成長するチャンス」と捉えて、業務マニュアルを作成し、技能実習生の教育に成功した企業様も存在します。
この企業様では、長らく「見て学ぶ」スタイルで運用しており、先輩の作業を見ながら、自分で作業をしながら、時間をかけて一人前に育てていく風土がありました。
しかし技能実習の期間は限りがあるため、実習生の受入れに適したスタイルとは言えません。人によってやり方が違うこともあり、技能実習生が最短で必要な技術を身につけることは難しい環境にありました。
また、長らくそのスタイルでやっていた現場サイドも、数年で帰国する可能性のある技能実習生を受け入れたことに困惑していました。
この状況に対し、技能実習生の受入れを決めた社長自らが先導し、その経緯を現場に説明し、効率よく覚えてもらうために業務マニュアルを策定しました。
業務マニュアルの策定により、いままで明文化されていなかった「暗黙知」が共有されるようになったほか、指導方法が統一化されました。順を追って体系的に教育ができるようになり、仕事を覚えるまでのスピードが向上しました。
技能実習生の受入れは大変なことかもしれませんが、この事例のように、この困難をきっかけに成長し、技能実習に成功した企業もあるのです。
02-05 技能検定対策
技能検定は、技能実習生として来日後、1年目と3年目に受験する試験です。技術が身についているかチェックする試験で、非常に重要な役割を持ちます。特に、1年目に受験する「基礎級」相当の試験は、不合格の場合実習を継続できなくなってしまうため、対策が必須です。
技能検定には実技試験と筆記試験の2種類があり、実技試験は普段の仕事で行う作業が出題されるため、そこまで問題はないでしょう。しかし筆記試験は、多少の勉強をしなければ落ちてしまう可能性があります。
ここでご紹介する企業様では、初めて技能実習生を受け入れた際、技能検定の重要性を教えてもらえず、何の対策もしないまま基礎級の技能検定を受験して、筆記試験で不合格になった技能実習生が出てしまいました。追試で合格して技能実習を継続できるようになったものの、技能検定の勉強をさせることに不安を感じていたといいます。
監理団体をエヌ・ビー・シー協同組合に変更した後は、当組合で活用している学習アプリを通じて、実習生が技能検定の勉強をするようになりました。勉強時間が可視化されるため、企業様側も安心することができています。
業務内容の理解度向上にも役立ち、仕事の効率化や職場でのコミュニケーション活性化にもつながりました。技能検定の対策をしてもらえる監理団体にサポートしてもらうことも、技能実習を成功させるためには重要です。
03 技能実習を成功に導くポイント解説
成功事例を交えながら、技能実習を成功させる方法を解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
紹介した課題解決に成功した内容をまとめると、以下のようになります。
改めて、社内体制の整えること、監理団体を選ぶことの重要性がお判りいただけたのではないでしょうか。
エヌ・ビー・シー協同組合では、20年の受入れ実績をもとに、技能実習生に関する様々なノウハウを有しています。社内体制の整え方や、監理団体の選び方について、少しでも課題や不安を感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。